ドナルド・トランプ大統領は5月1日、アメリカの基幹電力系統の安全保障に関する大統領令を発した。大統領は基幹電力系統に他国からの設備供給が無制限に行われていることを国の安全保障上の脅威と捉えている。この大統領令は、外敵の管理下にある企業によって製造された電力系統設備の使用を禁じ、国家の安全保障上の脅威となるあらゆる設備の購入を禁じるものである。
大統領令によって、リスク管理情報の共有を通じて電力系統を攻撃から守り、干渉を防ぐためのタスクフォースが設置される。このタスクフォースは商務長官、国防長官、国土安全保障長官、そして国家情報長官からなる。
さらにこの大統領令によって、エネルギー長官は現在の基幹電力系統で使用されている設備について確認し、リスクのあるものについては撤去や取り換えを行う任務が課せられる。加えてエネルギー長官には、安全と考えられるベンダーを選定し、「事前認証」リストを作成することも求められる。
エネルギー省(DOE)のサイバーセキュリティ・エネルギー安全保障・危機対応局(CESER)は、この大統領令に関して次のようにツイートしている:

10年以上にわたって、悪意ある何者かがアメリカの基幹電力系統への不正なアクセスを試みてきた。ブルイエット長官の指揮の下、CESERは関係機関と協力し、基幹電力系統の主要設備の民間および公共調達のセキュリティを確保していく。

その他の主な声明は以下の通り:

• 国防、緊急医療サービス、重要インフラ、経済、そして日々の生活。これらは電気によって成り立っている。その電気を送り届けるための基幹電力系統に対して、我々の外敵は徐々に脆弱性を作り、拡大させつつある。
• アメリカやその国民に対して、サイバー上のものも含めた悪意ある行いをしようとしている者にとって、基幹電力系統は標的の一つとなる。
• 我が国の基幹電力系統への攻撃が成功すれば、それは我が国の経済や人々の健康、そして安全に対する重大なリスクとなるだろう。また、自国や同盟国を防衛するための行動を満足に実施できなくなる恐れもある。
• アメリカの基幹電力系統に、外敵の保有下や管理下にある、あるいはその権限や方針に従う個人によって設計、開発、製造、あるいは供給された機器を制限なしに用いたり保有したりすることは、その外敵が基幹電力系統に脆弱性を作り、拡大させることが可能な余地を広げてしまう。それは壊滅的な結果をもたらす可能性がある。
• 他国からの基幹電力系統設備の供給に制限を設けなければ、国家安全保障、外交政策、そして国内経済に異常なまでの脅威を取り込むことになる。
• 基幹電力系統設備への、さらに一般的にいうなら米国経済への開放的な投資環境を維持することは、アメリカ全体の成長と繁栄のために重要なことだが、そういった開放性は国を重大な安全保障上の脅威から守る必要性とのバランスを守らなければならない。

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